
高エネルギー物理研究室
マイコネ:現在の研究室を選んだ理由を教えていただけますか?
大和:実は、僕は現在所属している「実験系」でなくて「理論系」に進みたかったんです。
4回生の頃は「理論系」への興味が大きすぎて、自分の所属ゼミだけでなく院生のゼミにも出席していて週に7回ゼミを受講していたりと・・・、とにかく「理論系」に夢中でした。就職することは全く考えておらず、「理論系」の大学院に進もうと思っていました。
ところが昨年8月、僕が目指していた日本で最も研究が進んでいる「理論系」の大学院入試試験に合格できませんでした。その時に目標としていた大学院に入れないなら「自分は理論系に向いていないんだ」とキッパリと諦めて、「実験系」である現在の研究室に方向転換したんです。「実験系」の研究はそれまで興味がなかったのですが、今はおもしろいと思っているので問題ないですね。英語も同じだったんですけど、なんかね・・・やっているうちに考え方が変わるんですよ。これもおもしろいって。だからおもしろいことはどこにも転がっていると思うんですよね。

マイコネ:大学院ではどんな日々を過ごしているのですか?
大和:現在は、朝9時30分に研究室に到着してから夜20時30分頃まで自分の研究をしています。その間に授業、研究会やアメリカに出張に行っているメンバーとTV電話会議なんかもあります。
その他には研究室のメンバーといろいろ話をしたりすることも多いです。週末は研究室のメンバーと飲んだりすることも度々。(笑)
基本的にいつ来ていつ帰っても構わなくて自由なのは楽なのですが、学部生の授業のように勉強を誰かが教えてくれるわけではなくて、研究に必要な知識や能力は自分で身につけないといけないのが学部生時代とは大きく違いますね。あと基本的に読むものは全部英語というのも大きく違います。
マイコネ:研究で苦労することはありますか?
大和:いろいろ新しい解析を思いついて試すのですがことごとく失敗していますし・・・基本的に落ち込むことばっかりです。それでも失敗すること自体がまた新しい方法を思い付くきっかけになっています。思い付くというのはそれを議論できる相手がいることが大きいんですよね。議論をするその中で思い付く。同じ目標を持つ研究室の仲間には恵まれていていますし、いつも感謝しています。

マイコネ:大和さんにとって素粒子の研究とはどのようなものですか?
大和:僕たちの研究は神様がつくったこの世界の秘密をひも解いているんです。素粒子の研究って何で小さい世界がそんなに楽しいんだと思うかもしれないけど、それが宇宙や自然界と繋がっている。小さい世界を見るというのは・・・最初はクォーク(素粒子の一種)が単体で飛んでいる状態、そのクォーク同士がくっついて、陽子、電子、原子、分子になる。つまり現在のあらゆる物質の構造につながっているんです。小さい一つの素粒子が宇宙やこの世界の仕組みをつくるでっかいスケールなんですよ!!
その小さくてでっかいスケールの一つ「ヒッグス粒子」を見つけるために研究しているんですけど、この素粒子を見つけることができる確率は宝くじの1等賞を当てることより遙かに難しいんです。更に、もしかしたら今素粒子だと思われているクォークなどが素粒子ではなく、さらに小さなものから出来ている可能性もあります。あるかないかもわからないものを世界中の研究者が必死になって探しているんです。それはもうロマンですよ。 そこにはやっぱりロマンしかないんですよ。
| ※ | マイコネPRESS LITE12月号(冊子版)では、「理学部」を「物理学部」と誤記載しておりました。失礼を深くお詫び申し上げます。 なお、WEB版の記事では正しい表記で掲載しております。 |