


—様々な学生の大学生活をご覧になられてきた中で、豊かな大学生活をおくるためにはどのようなポイントが大切だとお考えですか?
三回生の夏を過ぎると突然就職活動が始まるわけだよね。それで「僕はメーカーに、流通に、金融に」とか言うけど、「何を基準に選んでいるの?何をしたいの?」ということをあまり考えずに始めている気がしています。その結果、ミスマッチが起きているのではないかと。3年後離職率が社会的問題にもなっていて3年後に3割ぐらいがやめる…、大変なこと。 「就職活動はなんだったんだ!?」となるではないですか?
仕事(キャリアライフ)は40年ぐらいあるので、退職するとき「社会にこんなに貢献できた」とか「いい仕事ができた」と振り返れたらハッピーだと思います。
それでは40年間続けられることとは一体どのようなことなのでしょうか?
そうしたら、好きなことしかきっと続かない。できることでないと続かない。それからもう一つ、好きで、できても、価値を感じないこともあるわけですよ。自分にとって、「好きなこと、できること、価値を感じること」だと思えるような仕事を見つけられないと、最後に振り返った時にいい仕事をしたとは言えないだろうな、と思うのです。
だから自分自身の「好きなこと、できること、価値を感じること」をしっかり見つめた上で、それがこの社会で実際にどのように行われているかを知らないといけないよね。更に具体的にどのような仕事があるかを理解して選ぶことができれば、ミスマッチはあまりおきない。
そういうことを一回生、二回生の段階から考えていたほうが、少なくともハッピーな職業生活40年により近づけると思うし、大切だと感じています。
—価値とはどのようなことでしょうか?
価値って本当に人それぞれなのです。瞬間に消えるけど人の笑顔を見られるのがうれしいとか、自分が関わって作ったものに価値を感じる、いやお金だとかいろいろありますよね。
人の笑顔を沢山見ることができても本当にお金が欲しい人はお金のともなう仕事でないと力が入らない。
人の笑顔に価値を感じる人が、もし他人を泣かせて大儲けしても、振り返っていい人生だったと思えないですよね。一生かかっても追求できる価値など簡単に気が付かないわけだけど…、自分にとっての価値観をいろいろな経験をする中で見つけていって欲しいです。
—好きなことは、簡単に気付きそうですが…?
意外にはっきりしていない学生が多いです。僕の三回生ゼミでは、どんなことでも好きなテーマを取り扱って構わない、そのかわり「2年間かけて論文を書くに値する好きなことが何なのかを徹底的に議論しようぜ」と言っています。
学生が何となく、「僕これが好きだ!!」とか言ってきても、「ほんとうに?どうして?」と問い詰めていくわけ。どんどんつっこまれるから本気で考えないといけなくなって、そのうち涙を流しながら、「好きなことなんて何もないんです」、「なんだよ!!あるだろ」というやりとりをやっています。
好きなことだってなかなか出てこないんですよ、実は。