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特集 飛びだすチカラ 03 恥をかいたり、失敗したり、人に揉まれる経験こそが未来の糧になる

飯島孝俊さん

空カモメ株式会社 上海法人 上海鴎際広告有限公司(中国名称) 副総経理 飯島孝俊さん 大阪府立大学卒

空カモメは海外勤務を希望する日本人を対象に、「中国・アジア太平洋」企業の求人情報を配信する求人情報サイトを運営しています。同社の上海法人に在籍する飯島さんは「日本人が海外で働くチャンスを提供できれば」と話します。今回飯島さんに、ご自身が中国(海外)で働くことで感じたこと、そして日本人が海外で働く上で必要なことなどについてお話を伺いました。


成功の可能性は日本よりも中国にあるかも

—「空カモメ」の仕事内容を教えていただけますか?

 「海外での就職(転職)を希望する日本人向けに、中国の情報を中心として企業の求人情報紹介を行っている会社です。その中でも求人情報を「無料投稿」できるモデルで広めたいと考えています。多くの求人情報を紹介することで、多くの日本人が海外で働くチャンスを得るサポートにもなると思いますので。


—中国に来られたきっかけを教えてください。

 大学卒業後から日本で7年半働いた後に退職して、語学留学で上海に来ました。実は中国や中国語自体への興味はあまりなかったのですが…。ただ2000年のITバブルの成功に乗り遅れた僕としては、次の成功の可能性は日本国内より中国にあるのではとぼんやりと感じていました。中国ブームは以前から来る来ると言われていましたし。それで約1年間留学生として中国語を勉強した後に、縁あって空カモメの上海法人で働くことになりました。


—中国で仕事をする上で難しいと思われることはありますか?

 外国語で会話をする中で相手が話す内容の背景や意図まで汲んでヒアリングするのは相当難しいんですよね。ですからビジネス上では、ただ語学ができること以上に中国人は何が好きで何が嫌いかなど国民性を理解することが大切だと思います。例えば中国人はどういった事柄に対してお金を費やすかを理解しているなど。


—中国で仕事をする中で嬉しいと感じることはありましたか?

 空カモメがいろいろな地域で歓迎されたり評価されたりすることが凄く嬉しいですね。弊社はスタッフが少ないので皆さんの評価は自分自身の評価に直接関わっていると感じます。それが面白いですし、皆さんのお役に立てているのであれば本当に嬉しいです。


時代に合わせて自分を変えて成長する。

—飯島さんご自身が中国に来て変わったと思うことはありますか?

 根本的には変わっていないのですが、物事を進みやすくするためのテクニックは変わりました。例えば、中国で自分の価値を上げたり仕事を上手く運ぶためには広告など媒体に出るとか。自分の見せ方を工夫すると1年ぐらいで行けるかな…という目標に、案外半年で到達できたりします。多くの人と出会って自分の存在を知ってもらえれば予定より早く目標に到達できるんですね。中国に来てから自分の根本は変えずにアウトプットの方法を変えてきた感じです。


—中国(海外)で働くことにビジネスチャンスは多いと思いますか?

 海外に出ると良くも悪くも生き方が広がりますので、もしかすると転落する可能性もあります。日本で仕事ができない人が上海にきたとしても仕事は上手くいかないと良く耳にします。だから海外で働けばハッピーになれるなんて無責任なことを言うつもりはありません。でも能力や経験があるのに不況下の日本で営業成績が全く上がらない人、そういう人は「こんなに簡単に結果がでるのか!?」と思うほど成績が一気に上がることもある。日本人は海外に出る人がまだ少ないのでチャンスは転がっていると思いますよ。


—中国(海外)で働くことで得られることはありますか?

 「自分ってこういう人間だ」というイメージは20代後半ぐらいである程度固まると思います。それが海外に出て働いてみると固まった自分の殻を破らざるを得ない局面に多く出会います。そこを乗り越えられる人は自分自身が変わっていける。そういう人は海外での可能性をチャンスにできると思います。


—今後はどういった仕事展開をお考えですか?

 空カモメとしては今後ベトナム、シンガポールなど東南アジア圏や英語圏も取り上げていきたいです。僕自身の話では時代に合う形に自分の能力を上手く変換して、それを必要としてくれる人がいるのであればどんな働き方でもいいんです。どの地域で働いてもいいし、自分で起業してもいい。誰も価値を見出してない場所で挑戦すると新しい出会いもあるし成長もできます。それが面白い。だからこういう生き方もありなのかなと思っています。


恥をかいたり、失敗したり、人に揉まれる経験が未来の糧になる

—日本の若者が中国で活躍するために必要な能力はありますか?

 一番の強みは日本での社会経験です。日本企業では「報連相(ホウレンソウ)」など組織の動き方を学べると思います。「報連相」とは組織のダイナミックな動きの中で、自分がどういう働きをしてその中でどのように報告、連絡、相談をするかという意味。言葉で言うのは簡単ですがきちんと実行するのは難しい。そこを日本の組織で揉まれながらやっていれば凄い能力になります。自分の考えも含んで人を動かすことができる能力ですし、いい意味で組織も動かせるのですごく大事なこと。これは海外でも評価に繋がる能力だと思うので、日本で身につけていれば活躍の場が広がると思います。

報連相(ホウレンソウ)とは報告・連絡・相談の略語で、「仕事のホウレンソウ」などと呼ばれる。組織の中で情報伝達をする基本とされる。


—読者にメッセージをお願いします。

 僕は大学祭の実行委員会にいた時に、自分の思い通りにならなくて「もうやめた」と投げ出したことがあるんです。今思えば人に揉まれる中で自分を表現したり、怒られたり、人を動かす経験をしていればもっと変わっていたかなと。大学生は一人でいるのが一番ダメだと思うんですよ。いろいろな人に会って、その中で恥をかいたり、失敗をする中で、勉強できるし、助けてもらえる。自分を理解してくれる人にも出会うことができる。そういった経験を積むことが将来の糧になります。格好よく見せたいとか、恥をかきたくないとかいう人はあまり伸びない。だから当時の僕みたいに自分の殻に閉じこもることは良くないですよ。一人で生きられるんだったらいいですが、面白くないと思うんです、そんな人生は。

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